ライム至上主義、FORKというラッパーについて

FORKのプロフィール

名前 FORK
読み方 フォーク
出身 神奈川

FORK(フォーク)は神奈川県出身のラッパー。2001年からICE BAHN(アイス・バーン)というクルーで活動している。

主な戦績として、B-BOY PARK MC BATTLE 2002でベスト16、2003年には第3位。そしてUMB2006では優勝している。

ICE BAHNにおけるフォーク

ICE BAHNではKIT(キット)、玉露とBEAT奉公と一緒に3MC1DJとして活動している。この頃はICE BAHN全体として「とにかく踏む」ラップが特徴的だ。

あまりにも有名すぎますがあえて『越冬』でFORKの踏みっぷりを再確認する。

この氷河期じゃ能書きじゃなくてひねる脳がキー
要するに猛吹雪を毛布抜きで越えてく
肉弾戦でテクニック出せん奴は脱落だ
辛くても立つラクダみたいに前進する 飾らない
依然シースルーで見せてくのみ内面 まるで伸びない麺
あったかさパッケージ 音と言葉が合併し

とにかく押韻。どこで区切るか迷うくらいに次から次へと流れるように韻を踏んでいて、ただ語尾を合わせるだけではないのがFORKのすごいところ。

生活が逆転して活性化
いつか成果出れば達成感

こちらのラインでは韻だけではなく「文字」と「意味」を使うテクニックも。

多少危機感があっても走ってく蒸気機関車のNIGHT便
IとB 醍醐味は無い富 増やすまでできない冬眠 ファイトミー

IとB、これはICE BAHNの頭文字だが、こういった言葉の分解、再構成なども使えるラッパーは言葉遊びがうまい。KREVAもMCバトルで言葉を逆にすると、という手法をよく使っていた。とにかく韻を踏むために言葉をいじりたおす彼らはまさに日本語のプロ。

そうして出来上がったのが上のライン。韻を元にした話の流れはあまりにもスムーズだ。

ここの「ファイトミー」は冬眠からの韻であることは明らかだが、I fight me ならば自分との闘い、You fight me なら相手との戦い。主語はどっちだろうか。

お前が希望とか夢
捨てた時点で死亡と書くぜ

完璧に意味が通っていてかっこよく、かつて類を見ない。どう考えてもパンチライン。

ICE BAHNの主な作品

その他のICE BAHNの作品も紹介しておく。ちなみに、上記で紹介した『越冬』はファーストアルバム『STARTTREC』に収録されている。

  • LP『IB法』 (2003年8月23日)
  • アルバム『STARTREC』 (2003年12月25日)
  • シングル『JACK HAMMER』 (2006年6月3日)
  • アルバム『OVER VIEW』(2008年7月11日)
  • アルバム『Loose Blues』 (2011年11月11日)
  • ミニアルバム『現盤』 (2011年11月18日)
  • アルバム『RHYME GUARD』 (2013年7月12日)
  • アルバム『LEGACY』 (2018年11月21日)

ICE BAHN の 3on3

FORKだけではなく2人のMCも優れたラッパーで、クルーとして3on3に出場したりもしている。

3on3では3人とも出たがりなのでマイクの奪い合いを見ることができる。そして、多くの場面でFORKが最終的に全部持っていく。

フリースタイルダンジョンでのFORK

フリースタイルダンジョンでは2代目、3代目モンスターとして活躍している。

フリースタイルダンジョンでは、ICE BAHN時代とは打って変わってクールに踏む男として威圧感と存在感を発揮。スタイルの進化、ライムを極めた故のシンプルさと言ったところだろうか。「ライム至上主義」の行き着く先が見える。

フリースタイルダンジョンにおいては、比較的静かめに、そして少し考えてから気づくようなライムを落としてくるからいくつものラインがパンチラインとして残っている。

例えばNAIKA戦では次のようなライム。

お前のスタイルが王道になっちまうんだったら今後バトルの熱は相当冷める
それが正義だというHIPHOPシーンなら俺は抜いた刀をそーっと収めるよ

フリースタイルダンジョンを通して、FORKは改めて自分のスタイルを確立したとも言える。冷静なスタンスで、丁寧に韻を織り交ぜ、モンスターとして立ちはだかる大人のスタイルと言ったところ。

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