映画『華氏119』の感想・レビュー

『華氏119』の感想・レビューです。原題はFahrenheit 11/9。2018年にマイケル・ムーア監督が発表したドナルド・トランプ大統領を題材としたドキュメンタリー映画。

あらすじ

ドキュメンタリーなのであらすじとは違うが、ドナルドトランプが大統領選に勝利したことを受けて、なぜトランプが勝つことになったのか、そうなってしまったアメリカの実態をマイケルムーアの視点で撮っている。

感想

華氏911ね、と思って見たら華氏119だった。違う映画なのかよ!と思った。ブッシュ大統領を批判したのが「911(同時多発テロの日付)」で、トランプを批判したのが「119(トランプ勝利確定の日付)」、別物です。

マイケル・ムーアの映画を見るのは初めてて、こんな映画アリなのかと思った。当時の実際の映像や、監督自身がインタビューした様子、過去の映像の切り貼りで作られている。

内容としては、アメリカで起きていた出来事(汚水事件やデモ)、その時々の住民たちの思いなど、出来事そのものは知っていたけど実際どうだったんだ的な話を知れて面白かった。ムーア節で批判している箇所も多く、個人の政治的観点であることに気をつけないと偏りは大きいと思う。構成が謎で今何の話をしているのか見失うところがあった。

トランプ批判に終始するのかと思ってたけど(確かにそれもあったけど)、トランプが当選してしまうようなアメリカの現状を批判していた点は見る前と後で印象が変わった所。

一番感じたのは「人が動く」ことの大きさ。教師たちが賃上げのデモをしたり、銃乱射事件を受けて学生がデモする様子が作中で描かれている。問題を自分ごととして人が動き、それを見た人が共感して動きが全州に広がっていく。日本ではあまり見ない光景だった。この映画自体がその一環なんだろう。

F**k hope、take action。

希望があると思ってしまうと行動に移せなくなってしまうときがある。希望よりも行動を。

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